受益者連続型家族信託

~ 次の次を指定出来る遺言代用機能 ~

 

子供がいないご夫妻や、再婚をされているご夫妻の場合、財産をどの様に承継させたいかという思いと、民法のルールが一致しない事が多々起こります。
遺言書では自分の財産の相続方法を指定できますが、その先の指定は出来ません。
この問題の解決に家族信託の活用が有効的に使えます。

 

下記に二つのケースを例に受益者連続型家族信託の活用を説明いたします。

 

 

ケース①.再婚されたご夫妻

【状況】

・前妻との間に子供が一人いる。 

・後妻との間には子供はいない。 

・後妻には連れ子が一人いる。(養子縁組はしていない) 

・所有財産は収益不動産と自宅

 

【法定相続分】

・一次相続(ご本人の相続)の法定相続分は、後妻1/2・実子1/2となる。

・二次相続(後妻の相続)の法定相続分は、連れ子が100%となる。

 

【希望】

・ご本人の相続(一次相続)後、後妻が生活に困らないようにしたい。 

・後妻が亡くなった後(二次相続)は、実子に財産を承継させたい。 

受益者連続型家族信託

【受益者連続型家族信託の組成】

・委託者:ご本人

・受託者:実子

・当初受益者:ご本人

 第二受益者:後妻

 第三受益者:実子

・信託財産:収益不動産及び自宅

 

【資産の承継】

・ご本人に相続が発生した時(一次相続)

 自宅や収益不動産は後妻が承継します。

 収益不動産の管理・運営は受託者である実子が行います。

 

・後妻に相続が発生した時(二次相続)

 自宅や収益不動産は実子が承継し家族信託が終了します。

 

【家族信託により実現できた資産承継】

・ご本人亡き後、後妻が困らないように自宅と収益不動産は後妻が取得する。

・後妻の相続の際、後妻が承継した財産がご本人とは血縁では無い後妻の連れ子に相続する事を防ぎ、実子に承継される。

 

【留意事項】

・実子は後妻の法定相続人ではないので相続税が二割加算の対象となる。

・後妻の相続人である連れ子からの遺留分減殺請求の問題が残る。

 

 

ケース②.子どもがいないご夫妻

【状況】

・ご夫妻には子供がいない。 

・弟夫妻には子供が一人いる(甥)。(養子縁組はしていない) 

・所有財産は収益不動産と自宅

 

【法定相続分】

・一次相続(ご本人の相続)の法定相続分は、妻3/4・弟1/4となる。

・二次相続(妻の相続)の法定相続分は、妻の兄が100%となる。

 

【希望】

・ご本人の相続(一次相続)後、妻が生活に困らないようにしたい。 

・妻が亡くなった後(二次相続)は、妻側の親族ではなく、血族である甥に財産を承継させたい。 

受益者連続型家族信託

【受益者連続型家族信託の組成】

・委託者:ご本人

・受託者:甥

・当初受益者:ご本人

 第二受益者:妻

 第三受益者:甥

・信託財産:収益不動産及び自宅

 

【資産の承継】

・ご本人に相続が発生した時(一次相続)

 自宅や収益不動産は妻が承継します。

 収益不動産の管理・運営は受託者である甥が行います。

 

・妻に相続が発生した時(二次相続)

 自宅や収益不動産は甥が承継し家族信託が終了します。

 

【家族信託により実現できた資産承継】

・ご本人亡き後、妻が困らないように自宅と収益不動産は妻が取得する。

・妻の相続の際、妻が継した財産が妻側の親族に相続する事を防ぎ、血縁である甥に承継される。

 

【留意事項】

・甥は妻の法定相続人ではないので相続税が二割加算の対象となる。

・妻の相続人である妻の兄弟には遺留分減殺請求がない。

 

信託設定から30年経過に注意が必要

信託法で「信託設定から30年を経過した後は受益権の承継は1回だけ」と定められています。
例えば、父が長男を第二受益者、第三受益者に長男の妻、第四受益者に次男の子とする家族信託を設定した場合、父から長男へ承継された次(長男から長男の妻)の承継(長男の死亡)の前に、30年が経過するケースが考えられます。この場合、長男から長男の妻へは承継されますが、長男の妻からその先には承継されません。 信託は終了し信託財産は受益者(長男の妻)の相続財産となります。 

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